(5)源明典子氏

チェンジ・エージェントに

欠かせない資質とは

【後編・最終回】

株式会社スコラ・コンサルト
プロセスデザイナー 


源明 典子 氏 


 ザ・チェンジ・エージェントの最終回は、解説編としてプロセスデザインの視点からチェンジ・エージェントの役割を総括していきます。
  引き続き、源明典子さんに、プロセスデザイナーが果たす3つの役割についての分析と、また、組織の中でどんな人が変革の担い手となりうるのか、どのような ビジョンを掲げ人々の気持ちに火を点けていくのか、性格の傾向や志のあり方などにも言及しながら、チェンジ・エージェントに向く資質をあげていただきまし た。


● 安心して話し合える場から

  信頼と結束ができる

 プロセスデザイナーの役割として求められる「変化を促進する活動の支援」、その3番目のポイントは、変革の推進をバックアップする事務局を設けることです。

  なぜなら、有志に任せて組織的な縦や横の協力体制を作ることは容易ではありません。あえて事務局という公式の立場から、経営と現場をつないで情報共有でき る環境を整えたり、横や縦の連携を測るようにします。ここで意外に見落としがちなのが、縦の連携です。上司と部下が報告・連絡だけでなく、背景情報や思い をやりとりする場、マネジメントを補完する仕組みをつくります。

 4番目が活動を社内に広報する支援です。

  ある職場で変化に向けたチャレンジが生まれていても、ほかの職場からすれば「あそこの活動でしょ」と冷めて見ているところがあります。変革には必ず部門、 職場によって温度差が生じます。全体の活動にしていくために、イントラネットや広報誌、あるいは、ツイッターやフェイスブックなどのツールをうまく利用し て、全社に情報を公開し共有する仕組みを構築することが大切です。

 プロセスデザイナーの3つ目の役割は、変化し続ける風土づくりです。

  私たちは10年も20年も企業の中に入って支援することはありません。それぞれの会社で早く自走できるようにすることが大事だと考えています。たとえば、 コンサルティングの期間が3年だとすれば、そのうち後期の1年半は、自分たちで考えて動ける状態にするため、一緒にシナリオを描きながらフォローにまわり ます。自走化の条件としては、まず対話型のリーダーと新たなチャレンジを推進するリーダーを育成し、そのリーダーのマネジメントスタイルを組織運営のスタ イルにしていきます。

 こうしたリーダーや活動を推進するメンバーに対する評価の 視点も重要です。 全体のために主体的に活動している人が、周囲の人に認められている状態であること。一生懸命やっている人がアウトローに見えてしまう、 指示されたことをやる人が高く評価される組織では変革は進みません。これは活動している人の評価そのものを上げるという意味ではなく、上司がその必要性を 理解してきちんと価値を置き、承認していればいいのです。 

                                                                          


横浜商科大学
特定非営利活動法人 キャリア・コンサルティング協議会
NPO法人 日本サーバント・リーダーシップ協会