(4)源明典子氏


● お互いを知り、

 目的を共有する 

 目標、ゴールには、これが正解というものはありません。「世界のどこ にないものを創るんだ」とか「朝起きたらワクワクして行きたくなる会社」でもいいのです。「儲かる会社になるために○○にチャレンジする」でもかまいませ ん。いずれにせよメンバーの主体的な参加と納得感が大切です。

 なぜ、納得感を持つことが大切なのかといえば、与えられた方針や目標は、そのままだと背景にある意思や意味がわからないため、具体化しようという行動が起きないのです。

 だから、わかったようなふりをしているけれど、実際は受け取っていない人が出てきます。別段、悪気があって従わないのではありません。よくわからない、意味がないと考えて、行動にならないのです。

 人間という生き物が複雑であるように、組織も生き物であり複雑性に富んでいます。制度を作れば、ルールを作ればそれで組織が動くという単純なものではありません。

 お互いを知り、目的を共有して、お互いにその意味を理解して協力する。そのプロセスを通じて納得が深まっていくことで個々のエネルギーは高まります。

 そこに相談できる、助けてくれるとわかっている仲間の存在があれば、少々のリスクを伴うトライ&エラーにも踏み出せるのです。

● プロセスデザイナーの

  3つの役割

  実際、職場で変革の活動を進めるとき、プロセスデザイナーは何をしてくれるのだろうと思う人もいるでしょう。そこで次に、私たちプロセスデザイナーが担う 役割に触れてみます。ここでご紹介するのは私たちの役割であると同時に、社内のチェンジエージェント(推進役)となる事務局などの役割でもあります。

 プロセスデザイナーの役割としては、大きく3つが挙げられます。

①変化への抵抗をなくすセーフティネットづくり
②変化を促進する活動の支援
③変化し続ける風土づくり

  まず、セーフティネットの構築です。 セーフティネットというのは、「これをやったら損をする」「誰も応援してくれない」といった不安を持たずに安心して 活動できる環境です。そのためには、経営層(職場なら上司)にこの活動の目的や意味を理解してもらう、活動を承認してもらう、困ったときは相談や協力を約 束してもらう必要があります。

 このうち、少なくとも活動を公式に「承認してもらう」だけでも、ずいぶん動きやすくなるものです。

  もう一つは、マネジメントのやり方も変えていかなくてはいけません。的確な指示命令ではなく、現場を主役にするアプローチ、いわば「スポンサーシップ」の スタンスが求められます。それをマネジャーが自己変革をしながら実践するための手助けをするのもプロセスデザイナーの役割です。

 二つ目は、変化を促進する活動の支援です。これには4つのポイントがあります。

 最初のポイントは、本音で話し合えるチームの関係性をつくることも含めて、対話の習慣を職場に定着させることです。

 日常的な話し合いの機会を使いながら、朝礼でも会議でも本音ベースで話し合える習慣を確実なものにします。私たちは通常2、3年ぐらいかけて組織の風土改革のお手伝いをします。組織の状況によりますが、対話の習慣がある職場ならもう少し早く変化が起こります。

 風土というのは土壌です。たとえば、花を咲かせるためには種をまかなければいけません。しかし種をまこうとした地面がアスファルトで固められていたら、最初にアスファルトをはがして土を耕す必要があるでしょう。

 対話の習慣がないのは、ちょうど職場がアスファルトで固められた地面になっているようなものです。対話の習慣があれば、花を咲かせるまでの時間が短くて済むわけです。

 2番目のポイントは、チームで目的を共有することです。リーダーとメンバーが目的を共有し、相互に協力できるチームワークを作っていくのです。

 また、横断的なテーマはマネジャーが支援して、職場や部門を超えた協力体制をマネジャーが整える必要があります。

                                                                                  (つづく)


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