(2)源明典子氏


● 組織の中の関係作りから

 プロセスデザインを

 始めよう 

 組織における風土改革の支援は、プッシュ型の営業アプローチはしません。なぜならば、本当に変える必要性を感じている当事者がいなければ、変革を推進することが困難だからです。

  依頼の中で多いのが、実はいろんなハード系のコンサルに入ってもらったが一時的な成果が見えただけで長くは続かなかったというケースです。スコラ・コンサ ルトの本を読んで、「これなら本当に変えていけるのではないか」と感じて、相談に来られる人がかなりいらっしゃいます。

 なかでも支援をする上で大事にしたいのは、現場に近く実態を知っている人です。たとえば、モノづくりの現場である工場の人、顧客に近い営業の人など、本社・スタッフ部門から遠い人です。

 顧客に近い現場のほうが、自社の問題を切実に感じている人が多いのです。改革は辺境からともいわれます。現状を改革しようというイノベ―ティブな取り組みが生まれやすいのは、内と外とのギャップをより強く感じている現場なのです。

 変革のためのプロセスデザインには決まった手順はありませんが、定型といえるパターンはあります。

  これは、ちょうど山に登るのと似ています。山頂を目指していかに精緻な計画を立てても、途中で雨が降ったり風が吹けば計画を変えなければいけません。プロ セスデザインにも、目指すゴールに向かっていくために、一緒に登るメンバーや環境条件など、その時々の状況に合わせてシナリオを変えていける柔軟性が必要 です。

 ところが日本の企業はこれまで、プロセスをデザインする、プロセスを変化 させるという発想がなく、PDCAに代表される達成のための「計画を詰める」ことばかりをしてきました。そのため、メンバーが代わってしまっても、条件が 変わっても、当初の計画通りに遂行しようとします。そこに無理が生じるのです。

 その意味で、プロセスデザインには固定的な順序はないのですが、段階的に進めていくステップはあります。それについて少し触れておきましょう。

 まず最初に必要なのが、組織の中で目的を共有して協力できる「関係性」をつくることです。

 組織は一見チームのように見えて、実は個々がきちんとつながらずバラバラに動いているケースが多々あります。そこでまず、同じ職場のメンバー同士の関係性をつくる必要があります。

  たとえば、何かの課題に取り組むにしても、[いったい何のために]「なぜそれをやるのか」「自分たちにとってどんな意味があるのか」「そのための課題は何 か」という「What」や「Why」を問い、それぞれの考えや気持ちを聞くことが大切です。誰かから「やれ」と言われたから、いかにこなすか、どうやるか (How)ばかりを一緒に考えていても、協力する関係にはなりません。

 目的やそのことの意味をメンバーが自分なりに考えて、それぞれの思いの重なり合うところを大事にする。その共感を伴う共有のプロセスが協力のベースになるのです。

                                                                                  (つづく)


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