(1)源明典子氏

 ザ・チェンジ・エージェント<解説編>

  ~人の心に火を点け 現場から組織・社会を変える人たち~

  高い意識と志を持ち、ビジョンの実現を目指して奮闘するリーダーがいる。既存の枠組みに囚われず、組織、仕組み、社会に化学反応を起こし、より良い方向へと変革しながら前進してゆく人たち。彼らをチェンジ・エージェント(変革の促進者)と呼ぶ。
 自在(株)ホームページの特別企画として、毎月一人ずつ、チェンジ・エージェントの活動、想いを取り上げてご紹介していきます。
 

チェンジ・エージェントに

欠かせない資質とは

【前編】

株式会社スコラ・コンサルト
プロセスデザイナー 


源明 典子 氏 


  本シリーズではこれまで9人のチェンジ・エージェントに登場してもらいました。いまある組織や社会に疑問を感じ、自ら動いたチェンジ・エージェントたちの 活躍は、同じような問題意識を持つ読者にとって勇気づけられる存在ではないでしょうか。連載の締めくくりは、プロセスデザイナーの源明(げんめい)典子さ んに、プロセスデザイナーとはどんな存在か、風土改革の工程とはどういうものか、そしてチェンジ・エージェントに欠かせない資質について語っていただきま した。
(まとめ:大下明文)


● プロセスデザインは

  密室芸研修へのアンチテーゼ

 私の肩書を見て、「プロセスデザイナー」とは何だろうと思った方もいるでしょう。プロセスデザイナーという仕事を一言で表せば、組織風土の変革(イノベ―ティブな組織風土づくり)を支援する仕事です。 
 
 プロセスデザインの考え方は、当社を創業した柴田昌治の研修への疑問から生まれてきました。まだ風土改革という市場がない時代から、柴田は「日常と切り離された研修はダメだ」「講師が教室の中で教え込む“密室芸”はダメだ」と常々主張していました。

  たとえば、密室の研修室でどれほど良い研修を受けても、職場に戻ると、どうしても日々の業務に埋没してしまいます。半年後のフォローミーティングでは、ま た元の状態に戻っているというケースが少なくありません。研修に来て講師から一時的な解決策で元気をもらっても、職場では上司の力が強いので、研修が単な るカンフル剤に終わってしまうのです。

 やはり、仕事の中で新しいことにチャレンジする人を育成するためには、そういう能力が引き出されやすい状況(仕事の現場で、業務上の課題として、チームで取り組む)と、環境としての風土をつくっていくことが大事です。

 いまは、仕事を通じて企業変革の重要性を痛感している私ですが、最初からプロセスデザイナーになろうと考えていたわけではありません。

  新卒で入社した自動車販売会社では、上司が部員に数字のノルマを課して、トップダウンで「やらせて」「ダメなら叩く」という強制力を駆使したマネジメント で成果を出そうとしていることに違和感を覚えていました。結局、退職することになって、その後、改めて仕事とは何か、組織とは何かと考えていた時期があり ました。

 その当時、ある勉強会で柴田昌治と出会い、社員が自らの意思で会社を変えていくという自発性をエネルギーにしたプロセスデザインの考え方に共鳴したのです。


                                                                                                   


横浜商科大学
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NPO法人 日本サーバント・リーダーシップ協会