(4)中島英幸氏


● 対話の場づくりを通じて

 組織を活性化 

 人は、納得しないと動けないもの。理解することはできても、納得できなければ変わることはできないし、一度は行動できたとしても、行動を持続させることはできない。

 「それができるようになるには、分かることだけではなく、本当に納得することが必要であり、それが『コンセンサス』ということの意味ではないかと気づいたんです」

 内容についてただ同意を得ることよりも、互いの気持ちを分かり合った方が、その後の行動の持続につながる。仮に、その場での結論が自分の気持ちと違ったとしても、自分の気持ちを受け止めてもらうことができれば、結論に従って行動することができる。

 それを気持ちも聞かずに、互いの意見の整合だけをとり、コンセンサスとしても、後には続かない。

 「内容の整合よりも、心を出し合う、本音を出し合う、思いを出し合うことの方が、その後の行動に持続性があるということに、体験を通じて少しずつ気づいていきました」

  自分が何とかしようという気持ちを手放した中島氏が、代わりに力を入れたのが、オフサイトミーティング(部門間の横断的なコミュニケーションの場。自己紹 介をしながら、思いを共有したり疑問を解消したりする場)やハッピーアワー(勤務時間後にビールを飲みながら前向きなことのみを話してコミュニケーション を深める場)など、さまざまな形での対話の場づくりだった。

 「5社が統合しているので、集まって話をするだけでも、異業種交流会みたいなもので、出会いがあるんです。うちの会社にこんな人材がいたんだ、という出会いから、新しい知恵や希望が生まれたりするわけです」

 また、こうした場で対話を進めるためのルールとして、初歩的なコーチングスキルを取り入れることで、コーチングを自然に実践できるように工夫した。 対話活動を通じて、合併直後はぎくしゃくしていた社員間の信頼関係は深まり、様々な部門で活気が育っていった。

                                                                                  (つづく)


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