(6)鈴木中人氏


● 日本一感動できる

 いのちの伝道師目指す 

 「使命感」…使命とは命を使うこと。限られた自分の命をどう使うか、という視点から何をやるかを考えたときに、本当の使命感が出てくる。

 「支えられている」…自分が支えられているという実感が得られれば、本当の一体感、チームワークが生まれる。

 「かけがえのない」…かけがえのないものとは何かを突き詰めれば、個人や会社の価値観が明確になっていく。

  「このようにいのちを見つめることによって、自分が働くことの意味や、会社の存在意義が確立されます。しかし、これらはいくら頭で考えても理屈に過ぎず、 大切なのは心で感じることです。そのために、私が体験した、娘の発病から会社を辞めるまでの話をして、人間はどんなときに変わるのか、ということを実感してもらう。すると、今まで当たり前に感じていた人間関係や職場のあり方といったものが、ありがたい、大切なものだということが分かり、人間力を向上できるのです」

 鈴木氏の「いのち」というキーワードは、人づくりやコミュニケーショ ン、メンタルヘルス、ワークライフバランスなど、今日の企業におけるさまざまな課題の根幹に位置づけられるものといえる。これまで、電力会社、銀行、生命 保険会社、メーカーなど、さまざまな企業が鈴木氏の研修を導入している。

 「私は、一人一人が自分自身のことを見つめ直してもらうきっかけをつくっているに過ぎません。私の体験談を鏡にして、どう生きるか、どう働くかと言うことを、自分自身に問いかけてほしいと思います」

 鈴木氏は現在、学校、企業、そして社会福祉や医療などの専門職を3つの柱に、「いのち」をテーマにした講演や研修を展開している。今後は、食育や農業体験などの社会活動とコラボレーションを行うなど、活動の幅を広げていく考えだ。

 最後に、鈴木氏に夢について聞くと、次のような答えが返ってきた。

  「以前は夢という言葉があまり好きじゃなかったんですよ。会社にいた頃も、超リアリストでしたから、夢について語るよりも、現実にどうするかが大事でし た。でも、娘の病気を体験して、人間は、やはり夢がないと生きられないとわかった。今の私の夢は、『日本一感動できるいのちの伝道師』になることです」

                                                                                     (鈴木氏の回おわり)

【プロフィール】
すずき・なかと
1957年愛知県生まれ。81年㈱デンソー入社。92年長女の小児がん発病を機に、小児がんの支援活動・いのちの授業等に取組む。05年会社を早期退職し、いのちをバトンタッチする会を設立。09年企業の人材研修を担うライフクリエイト研究所設立。いのちのバトンタッチをテーマに、いのちの輝き、家族の絆、生きる喜び・働く喜び、良き医療などを全国に発信する。講演、セミナーには13万人が参加。 http://hm7.aitai.ne.jp/~inochi-b/


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