(1)阿部裕志氏

 ザ・チェンジ・エージェント<実践編>

  ~人の心に火を点け 現場から組織・社会を変える人たち~

  高い意識と志を持ち、ビジョンの実現を目指して奮闘するリーダーがいる。既存の枠組みに囚われず、組織、仕組み、社会に化学反応を起こし、より良い方向へと変革しながら前進してゆく人たち。彼らをチェンジ・エージェント(変革の促進者)と呼ぶ。
 自在(株)ホームページの特別企画として、毎月一人ずつ、チェンジ・エージェントの活動、想いを取り上げてご紹介していきます。
 

人と人、人と自然の結びつきを通じて、

地域おこし、人づくりを目指す

【前編】

株式会社巡の環 
代表取締役 

阿部 裕志 氏

 

  「宇宙飛行がしたい」--子どものころに抱いた夢から航空宇宙学を目指し、材料工学を専門とするエンジニアになった阿部裕志さん。大学時代の研究を活か し、大企業でモノ作りに携わっていたのに、ある時、島根県の離島・隠岐諸島にある海士町(あまちょう)の町おこしに関わることになりました。現在は町の中 に「巡の環(めぐりのわ)」という会社を起業し、活性化に向けて様々な事業を展開しています。「よそ者・若者・ばか者」が町おこしにはキーパーソンになる とよく言われますが、阿部さんの志にどんな変化が起き、地域コミュニティにどのような変革をもたらし、どんな新たな夢を抱いているのかを伺ってみました。 (ライター:大下明文)


● 町おこしに取り組む

  半端でない情熱

  
 海 士町の町おこしにかける情熱は半端ではない。町長は給与を半分カットし、課長たちは3割カットして町の発展のために使う。これを原資に、最新の冷凍技術を 導入し、町の海産物をブランド化したり、他所から町の資源を掘り起こす「商品開発研修生」を毎月15万円払って受け入れる。そんな施策も奏功し、最近の5 年間で250人のIターン者を呼び寄せ、150人のUターン者を呼び戻した。

 このユニークな海士町は、日本海に浮かぶ隠岐の島に属する一つの島だ。島すべてが国立公園に指定される自然豊かな島であるとともに、後鳥羽上皇が流された島として知られ、神楽や俳句などの歴史文化や伝統が色濃く残っている。

 自然と文化が同居する島であるが、少子化と高齢化に悩む島でもある。Iターン・Uターンがありながらも、現在の人口はおよそ2,400人。人口の4割が65歳以上で、毎年生まれる子どもは10人ほどにすぎない。

 トヨタ自動車で働いていた阿部裕志氏は海士町の半端でない情熱にひかれ、同志とともに島で起業した。阿部氏を地域おこしにいざなったものは何か、そして具体的にどんな事業で地域を発展させようとしているのか。

                                                                                                        


横浜商科大学
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