(6)堺 寛氏

● 組織の壁を越えて人と人をつなぐ

 堺氏が一連の活動を通じて実現したかったこと。それは、「組織の壁を越えて人と人をつなぐ」ことだ。

  「人と人をつなぐということが、常に自分の興味・関心の対象としてあります。それは、知恵DASのようにシステムでつなげることもあれば、実際に人が動くことでつながることもあります。どのようにすれば会社がよくなり、個人も成長できるかということは、いま所属している人事部でも大きなテーマです。振り返ってみると、ここ10年ほどは人と人をつなぐことによって、付加価値や相乗効果が出る方法をずっと考え続けてきたように思います」

  人と人がつながることの面白さについて、堺氏は次のように語る。

  「一人で考えているだけでは生まれない何かが生まれることだと思います。仕事にせよ普段の生活にせよ、一人でいると自分のアンテナでしか情報を拾わないじゃないですか。しかし、人と接することによって、それまで自分が見向きもしてこなかったチャネルから価値ある情報が入ってきたり、新しい世界が見えることがあります。人とつながる機会が多ければ、得をすることはあっても損することはないと思うんです。そんなわけで、最近も、人材育成に関する社内メルマガを発行したり、ビジネス書の読書会を開催しています。こういう動きを社内でもっと活発にしていきたいですね」

  最後に、堺さんの今後の展望を聞いた。

  「会社は今、いろいろな意味で転換点にあります。売上の7割を占めるNTTグループの仕事にいつまでも頼ることはできません。もっとグループ外のお客様とも関係を深めていくことが求められています。また、ソフトウェア開発の世界では、コストを抑えるためにオフショア開発の流れがある一方、グローバル市場に打って出ることも求められています。こうした状況の中で、社内外にかかわらず人と人をつなげたり、技術と技術を結びつけることによって、新たな付加価値を生み出すことが大切になってくると思うのです。当社のミッション・ステートメントは『先端技術をビジネスに活かす』なのですが、『先端技術』については同僚たちに頑張ってもらうとして(笑)、僕は『ビジネスにつなぐ』の部分で会社や社会に貢献していきたいですね」

                                  (堺氏の回おわり) 

【プロフィール】
さかい・ひろし
 1970年京都生まれ。1992年 大阪大学を卒業し、NTTソフトウェア株式会社に入社。おもにNTTグループ向けの複数のシステム開発に携わった後、ナレッジマネジメントの概念に出逢い、衝撃を受ける。2001年には、社内有志でQ&Aコミュニティサイトの立ち上げを企画し、全社に導入。その後、経営企画部、テレビ会議システム開発等を経験したのち、2008年から現職。最近気になっているのは、MBB(Management By Belief)とU理論。

※ 知恵DASは、NTTソフトウェア株式会社の社内向けに構築したシステム・サービスの名称です。


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