(5)堺 寛氏

新たな価値を生み出すために

人と人をつなぐのが自分の役割

【後編】

NTTソフトウェア株式会社人事部 
担当課長 

堺 寛 氏

● どうすればチームが良くなるかを考えた

 知恵DASが軌道に乗った後、堺氏は再び開発部隊に異動となった。この時に「自分は人間関係担当だな」と感じる出来事があったという。

  異動した先は、トラブルの真っ直中にあるような部署だった。夜10時頃から始めて深夜2~3時まで打合せをやり、その後仮眠して朝9時からの打ち合わせに備えて資料をつくる、そんな勤務状態が続いていた。みな疲弊しきっていて、互いにあいさつも交わさないような状況で、顧客との関係も悪化していた。

  「技術的には元々いたメンバーの方が当然よく知っているので、リーダーとして、どうすればチームが良くなるかということを自分なりに考えながら動いていました」

 たとえば、単純だが大切なのが朝のあいさつだ。出社しても無言で自席に座ろうとする後輩に「おはよう」と声をかける。これを毎日続けていると、少しずつ会話が生まれてくる。また、勉強会を立ち上げて業務の前提知識をシェアする場をつくることで、チームのなかに助けあおうというムードが生まれてきたという。

  その後人事部に異動となり、人材開発の担当となった。この時は、知識付与だけでなく、集まった社員同士のコネクションをいかに深めたり思いを共有するか、を主眼に据えた研修を取り入れた。

  例えば新任管理職の研修の場合、従来は身に付けるべき知識や心構えを伝達することが中心のメニューだったが、「自分たちはどんな管理職になりたいか」を考えるセッションを設け、「どんな働きかけをすれば会社が元気になるか」を互いに意見交換する場を設けた。

  この研修を受けて、『あんな管理職になりたいと後輩たちが思ってくれるような課長になりたい』と言ってくれた人もいましたし、ディスカッションを通じて、『同世代の中で一番会社のことを考えているのは自分だと思っていたけど、さらに真剣に考えている人と話せてうれしかった』と真顔で語ってくれた後輩もいました。この研修を企画して本当によかったです」

 


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